ジャイアンツ初のグランドファイナルはリッチモンド・タイガースに89点差で大敗し、深い失望に終わったが、監督のLeon Cameronは長期的に見て苦い経験はクラブの財産になると試合を振り返った。
ジャイアンツは第1クウォーターの終盤に逆転したものの、その後はタイガースに11連続ゴールを許し、試合の流れをつかむことはできなかった。
しかし、ファイナルでの敗戦から学び、更なる成長につながることは過去の歴史が示している。そしてCameronは、ジャイアンツは再びその道を辿ることができると語った。
ジャイアンツは2016,2017,2018年とファイナルに進出したものの、強豪に負けを喫し、その度に成長し続け、今年ついにグランドファイナル進出を果たした。
「我々は、試合結果に失望している。しかし、初めてのグランドファイナルを戦い、その経験から多くを学ぶこともできる。」
「もしジャイアンツを深く知っていれば、もちろん、私もジャイアンツのことが良く分かっていると思っているが、我々は試合を振り返り、試合では何が起きて、どのエリアを改善すれば良いか、探求することができるクラブだ。我々はいつでも優勝を目指してトレーニングをしてきたので、それが変わることはない。」
「4年連続でファイナルに進出し、その度にチームを成長させてきた。」
「昨年もコリンウッド・マグパイズに負けたが、今年、素晴らしい舞台に戻ってくることができた。」
「まだまだ貪欲に成長し続けることができる。」
「成長できることに自信を持っているし、この6か月間で再出発の準備ができると信じている。」
ジャイアンツのロッカールームは試合後、静まり返っていた。タイガースの猛攻に全く対応することができず、感情的になっているプレイヤーもいた。
マスコミをシャットアウトした試合後のミーティングルームでCameronがプレイヤーに語りかけた言葉はシンプルだった。
「今日の結果を素直に受け止めよう。」
「第2クウォーター以降は、我々の目指すフットボールができていなかった。今回のファイナルシリーズは厳しい戦いの中でも、目指すフットボールができていただけに非常に残念だった。」
「大舞台に立てて非常に光栄に思っているが、その舞台で充分な戦いができず、誰もが望んだ結果を得られなかったことは非常に残念だった。」
初のグランドファイナルに至るまでにジャイアンツはブルドッグス、ライオンズ、マグパイズとタフな試合を戦っていた。しかし、Cameronはそれをグランドファイナルの結果の言い訳にはしたくないと話した。
「それは全く言い訳にならない。」
「そのような見方は理解できるが、全く的外れでリッチモンドに対しても失礼だと思う。」
「リッチモンドの素晴らしいパフォーマンスは見習うべきもので、グランドファイナルに進出してくるクラブに対して、我々はもっと成長しきちんと戦えるクラブにならなくてはいけない。」
先週の準決勝で痛めたふくらはぎが心配されていた副キャプテンPhil Davisの出場について、Cameronは試合開始90分前までフィットネステストを繰り返していて、試合から外れる可能性もあったと明かした。
29歳のPhil Davisは普段通りのインパクトを試合に与えることができず、タイガースのJack Riewoldtに多くのゴールを奪われたが、ゲームキャプテンを務めたPhil Davisを敗因の一部とすることは間違っていると否定した。
「この80点差以上の敗戦の原因が彼にあるはずがない。グラウンドの様々なエリアで負けており、ディフェンスラインのみに問題があるわけではない。」
「先週土曜日からグランドファイナルに向けて、Philのマインドセットには非常に強いものがあった。」
「彼の怪我の状態を隠すことはなかったし、テストもカメラのある前で行っていた。オープンで冷静な判断の上で、彼を出場させることになった。」
「私は彼と話をして、120分間戦えるか尋ねるとYesと即答だった。私はゲームキャプテンを務める彼を支え、支え続けると決めた。」
ジャイアンツにとって初のグランドファイナルは、クラブ設立史上、AFL公式戦で最も得点の低い試合となった。苦い経験をしたジャイアンツだが、新たな経験を積んだメンバーは念願の優勝に向けてすでに2020年を見据えている。
―2019年シーズンもGWSジャイアンツの日本語版記事をご覧いただき、ありがとうございました。本企画は来シーズンも継続する予定ですので、ご期待ください。