今期、ホークスはクラブ史上初のリーグ優勝の可能性を残しているチームとなっている。
対戦相手の東京ゴアナーズとはシーズン前半戦でも引き分けを収めており、相性的にも悪い印象はない。さほど意識せず、良いイメージで臨めるだろう。江戸川グランドで63-63で引き分けたが、幸先良く先制し、チーム復帰2試合目の田邊大知がフルフォワードのポジションで躍動。フィニッシャーとして4ゴールを挙げる活躍ぶりで、ホークスリーグ3位進出に貢献した。このゲームだけではなく、その後のリーグ戦でも得点を量産するなど、新境地を開拓するきっかけとなった一戦だった。結局、チームは年間3位に食い込み、自身のパフォーマンスについて「田邊史上最高」というフレーズを残していたほどだった。
だが次戦は今期のドリームチーム選出は間違いないその田邊が不在の可能性が高い。不動のフルフォワードを欠くため、いつもの3トップではなく2トップシステムを採用し、ゴアナーズとのミラーゲームを挑む可能性も高いだろう。先のマグパイズ戦でディフェンスの一角として堅実かつ大胆なプレーで勝利に貢献した北田も今回も最終ラインに入ることが予想されるが、ローバーを務めることもできるため、レギュラー陣のコンディションとの兼ね合いになりそうだ。
そのほか、中盤の心臓である拓未が両腕の怪我により約1カ月の離脱。さらに星も腰の損傷により復帰まで1カ月程度を要する状態となっている。主力2人を欠くチーム事情がしばらく続くが、直近のパワーズ戦では吉春は4ゴールを決めるなど不安を吹き飛ばす強さを見せた。この試合後、その思いを力強く語ったのは吉春だ。
「やれる選手がフィールドに出るということ。先輩方がいないのも大きいが、じゃあ、誰がいるのか……。試合ではそこに目を向けないといけない。いない選手のことを試合中に考えても前に進めない。いる選手が、このチームにプラスをもたらしてくれる。いる選手が最大限のことをして、そしてそれがチームの結果に繋がった」
悲願の初タイトルへ、想いは一つだ。